白斑(はくはん)とは、皮膚の色素が抜けて白くなる後天性の疾患で、正確には「尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)」と呼びます。手のひら、足の裏をのぞいた全身に発症する可能性があり、発症時期も幼少期から成人になって以降とさまざまです。自然に治癒することはほとんど期待できず、むしろ徐々に拡大することがあります。発症する人の割合は、世界で0.5~2%といわれており、決して珍しい疾患ではありません。
他人にうつったり、患部が痒くなったりすることはありませんが、外見に現れるため、他人の目が気になるなどして精神的ストレスの原因になることがあります。知識に乏しい周囲の方から、伝染病と間違われるケースも、実際にあります。
肌の色素が抜ける疾患には、高齢の方にみられる「老人性白斑」、生まれつきの「先天性白皮症」、湿疹などのあとに一時的に発生する「炎症後白斑」などもあります。このように、白斑に似た症状が出る疾患は多いので、診断には専門的な知識が不可欠です。